薬剤師の転職成功の秘訣は、
- 自分の理想にあった職場を見つけ出すこと
- 面接対策をしっかりすること
です。
この記事では、ふたつ目の面接対策についてお話します。
と思う方もいるかもしれませんが、
転職歴が多かったり、人気の企業だったりすると、面接で落とされることも当然あります。
とはいえ、あまり心配する必要はありません。なぜなら面接でよく聞かれる質問は、ある程度決まっているからです。
事前に対策し、しっかり受け答えできるようにしておけば大丈夫です!
面接は、採用の合否だけでなく、給与や条件が決まる場でもあります。きちんと準備してのぞみましょう。
自己紹介
面接の最初に「自己紹介をお願いします」と言われたら、
- 氏名
- 職歴
- 現在の仕事内容
- 仕事への姿勢
- 志望動機
などを、1〜2分で簡潔に話します。
自分のアピールポイントをすべて話す必要はありません。あくまで挨拶・導入という位置づけです。
面接官が詳しく知りたいことがあれば、あとから質問されるので、「たくさん話さなきゃ!」と思う必要はないです。
自己紹介の内容よりも、むしろ声量・口調・表情・姿勢のほうが重要です。
あなたのもつ雰囲気や印象を見られます。ここであなたの第一印象が決まります。
面接のために時間を割いてもらったことに対するお礼は、ぜひ入れるようにしましょう。
【回答例】
◯◯◯◯と申します。本日は貴重なお時間をいただき、ありがとうございます。
△△大学を卒業後、調剤薬局に勤めて、今年で5年目になります。1年前から管理薬剤師をしており、学生実習も担当しています。管理職として、よりよい職場環境を作るべく、日々の業務に取り組んでおります。
本日はどうぞよろしくお願いします。
なお、自己紹介は省略されるケースもあります。事前に履歴書を提出している場合など、いきなり質疑応答から始まることも多いです。
経歴・職歴
「これまでの経歴を教えてください」と言われたら、履歴書だけではわからない具体的なエピソードや、自身の思いをのせて話すのがポイントです。
ここは、自己アピールの最大のチャンスです。
面接官は、あなたが
- どのような経験をしてきたのか
- どのような姿勢・モチベーションで仕事に取り組んでいるのか
- 仕事をする上で大切にしていることはなにか
を聞きながら、あなたの性格・スキル・適性などを汲み取ろうとしてくれます。
面接官に「こんな人と一緒に働きたいな」「即戦力になりそうだな」と思ってもらえるよう、しっかりアピールしましょう。
管理薬剤師や薬局長などの経験は、プラス評価されることが多いです。
転職歴がある場合は、「なぜ転職したか」理由や経緯を添えるようにしましょう。
【回答例】
大学卒業後、◯◯病院に就職し5年間勤務しました。調剤業務と入院業務に携わっていました。チーム医療に参加できたことや、幅広い科に触れられたことが、良い経験になったと思います。
「ひとりひとりの患者さんともっと深く関わりたい」と思うようになり、地域医療に力を入れている△△薬局に転職しました。今年で3年目です。1年前から管理薬剤師を務めており、新人教育や在庫管理なども担当しています。職場のメンバーと、コミュニケーションをしっかりとることを大切にしています。
【超重要】志望動機
志望動機は、特に力を入れて対策するべきです。
数ある病院・薬局・ドラッグストアの中で、その職場を選んだ理由を論理的に、具体的に説明する必要があります。
のような曖昧かつ、世の中で使い古されている回答は、避けるべきです。印象に残らないどころか、
- あまり企業研究をしていないだろうな
- どの面接でも同じ回答をしているんだろうな
- 志望度が低いのかな
など、マイナスイメージを持たれてしまいます。
※企業理念について話すなら、しっかり下調べをした上で「企業理念の◯◯◯◯◯という部分に共感しました。なぜなら〜」という形で、オリジナリティを出していきましょう。
「自分のやりたいことは、御社だからこそ実現できる」ということを軸に、話を展開します。
【回答例】
御社のホームページを拝見して、毎月健康教室やお薬相談会が開催されていることを知りました。地域の患者様とより深く関われる、素敵な取り組みだと思います。
今までの経験で培ってきたコミュニケーション能力を活かして、私も地域医療に貢献できたら嬉しいです。薬剤師として働く上でやりがいを感じます。
志望動機を答えつつ、自分の能力や経験もアピールしましょう。「やりたい」という思いも大切ですが、「できる!」という能力がプラス評価に直結します。
なお志望動機を話す際、「家から近いから」「給与が高いから」と答えるのは控えましょう。仮にそれが本音だとしても…。
面接では、面接官に「ウチで活躍してくれそうだな」「会社にいい影響をもたらしてくれそうだな」と思ってもらうことが大切です。
- 薬剤師としてのやりがい
- 仕事への意欲
などを中心に話すのがおすすめです。
【重要】転職理由・前職を辞める理由
転職の理由を適切に堂々と答えられないと、面接に落ちてしまうことがあります。
特に、
- 短期間で転職する方
- 転職回数の多い方
- 新卒1年目で転職する方
は要注意です。
転職歴があることが問題なのではありません。薬剤師1年目で転職するのも可能です。
ただ、面接官が納得する転職理由をきちんと話す必要があります。
- 前職では携われなかった業務をやってみたい
- キャリアアップを目指している
など、薬剤師として前向きでポジティブな理由を話すようにしましょう。
「人間関係が悪くて…」などの理由は
「それはどんな職場でも起こりうるんじゃないの?その都度辞めるの?」とマイナスな印象を持たれがちです。
採用活動は企業にとって、時間もお金もかかるものです。
組織としても、従業員に長く働いてもらった方が、業務効率がアップします。
つまり企業側は、「せっかく採用した人には、なるべく長く働いてほしい」と思っています。
面接官に「嫌なことがあったらすぐ辞めそう」「長期的に働くビジョンが見えない」と思われないよう心がけましょう。
【回答例】
今後のキャリアアップのために、より幅広い診療科の知識を身につけたいと思い、転職を検討しています。
長所・自己PR
薬剤師の面接で好印象をもたれる自己PR例を紹介します。あなたに当てはまるものがあれば、ぜひ面接で使ってみてください。
- コミュニケーション能力が高い
- 物事を客観的に見ることができる
- トラブルが起きても、冷静に対処できる
- 計画性がある
- ひとつひとつの仕事に真摯に向き合える
自分の長所をどのように業務に活かしてきたのか、具体的なエピソードを添えると、オリジナリティが出ます。
【回答例】
現在管理薬剤師をしているのですが、今までの経験で培ったコミュニケーション能力を活かして、職場の人間関係がより円滑になるよう心がけています。自分が当事者でなくても、双方の話をしっかり聞いて、建設的に問題解決するよう努めています。
離職期間がある理由
「離職期間」というのは、「仕事をしていない期間」いわゆる「ブランク」です。
離職期間が長いと、理由をきかれることがあります。
- 体調不良・病気
- 留学・ワーキングホリデー
- 結婚・出産・育児
理由は人それぞれだと思いますが、正直に答えましょう。
【回答例】
半年前に大怪我をしてしまい、休職していました。現在では完治しています。通院も終わっています。
最近では、復帰を見据えて、新薬を中心にe-Learningで自主勉強しています。
離職期間がある理由を答えると同時に、「ブランクを埋めるために、自主学習に励んでいる」など、前向きな姿勢をアピールすると好印象です。