かつては10,000基近くの風車があったオランダ。現在では、電気の普及・老朽化などの理由により、1,000基ほどしか残っていません。それもオランダ各地に点在しています。
そんな中、Kinderdijk(キンデルダイク)には、18世紀に造られた19基もの風車がまとまって残っています。これは他ではなかなか見られない光景です。
〈この記事でわかること〉
- キンデルダイクのおすすめ観光スポット
- キンデルダイクの観光のコツ
- キンデルダイクのチケット購入方法・注意点
- キンデルダイクを訪れる前に知っておきたいこと
※入場料などの変更点は最新情報に修正済(2023年1月、公式サイト参照)
キンデルダイクの観光スポット
キンデルダイクは1997年、「キンデルダイク・エルスハウトの風車群」としてユネスコ世界文化遺産に登録されました。
Museummolen Nederwaard(ネーダーヴァールト)|内部見学できる風車①
風車が動く仕組みを、中から見ることができます。
歯車も見えます。
風車は住居でもありました。
1950年頃に実際使われていた家具や生活用品が残っています。
アイロンです。
靴を壁にかけて収納しています。
「オランダといえば」の木靴もありました。
当時の風車での生活を垣間見れる貴重な空間です。
Museummolen Blokweer(ブロックウェア)|内部見学できる風車②
キンデルダイクにある他の風車とは少し変わった、特徴的な形をしています。
下の部分が生活スペースとして利用されていました。
ベッド下を収納スペースにしています。ここでも、風車の中という限られた空間を有効に使う工夫が見られます。
風車の中を見学しているときに、タイミングよく稼働していると、窓からぶんぶんまわる羽を間近に見ることができ、なかなかの迫力です。
キンデルダイクを最大限楽しむコツ
園内のボートを上手に利用する
ボートは2種類あります。
クルーズ
観光用
風車が両側に立ち並ぶ、景色のきれいなところを往復してくれる
風車の近くに寄ってくれて、ボートの上から風車を眺めたり写真を撮ったりできる
屋根のない船で、さえぎるものがないので写真を撮りやすい
ビジターセンター近くで乗船し、同じ場所に戻ってくる
所要時間30分くらい
途中で乗り降りすることは不可
ホッパー
移動用
園内4ヶ所にあるポイントで乗り降りできる
乗り降りできるポイント
- ビジターセンター近く
- Wisboomgemaalというエンジンルーム前
- Museummolen Nederwaard(ネーダーヴァールト)前
- Museummolen Blokweer(ブロックウェア)近く
ひとつめの注意点として、クルーズとホッパーは併用できません。※2019年6月時点※
【移動用にホッパーを利用して、各風車を観光したあと、最後にクルーズでもう一度園内を一周する】といった使い方はできません。
どちらのボートが自分の観光プランに合っているか考え、選ぶ必要があります。
ふたつめの注意点として、ボートの出航頻度はそれほど高くありません。
クルーズは、乗ったら乗りっぱなしなので、一度乗ってしまえばボートの時刻表を意識することはありませんが、ホッパーの場合は注意が必要です。
乗降ポイントでは、次の出発時刻を示してくれているので、目安はあります。しかしタイミングが合わないと30分以上待つ必要があります。歩いたほうが早いことも…。
上に挙げた4つの乗降ポイントの中で、入口から一番遠いのがブロックウェアです。入口からの距離は約1.5キロ(片道)です。
つまり、往復3キロを歩くことが問題ない場合は、ボートを使わず歩いて観光するのもいいと思います。
ただ、ボートに乗ると、歩いては近づけない位置の風車を見ることができたり、船上でリラックスしながら風景を楽しめたりといった良さがあるので、そこはお好みで。
【歩いて観光しながら、入口からブロックウェアまで行き、帰りだけホッパーボートを利用する】ということもできます。
また、ボートは冬季休業です。
イチオシ!写真スポット
オランダらしい風景が続くキンデルダイクでは、シャッターを切りたくなるスポットがたくさんあります。
その中でも、複数の風車がならぶキンデルダイクだからこその、素敵な写真が撮れるスポットを、地図を使って説明します。
下の地図上にピンをさしているのが、ふたつの風車:ネーダーヴァールトとブロックウェアが建つ場所です。その間にある矢印の出ている場所に、白い橋があります。この橋の上に立ち、矢印の方向(東側)向けてカメラを構えると、横ならびの風車をおさまりよく撮影することができます。
橋を降りて視点を下げると、また違う雰囲気の写真になります。
キンデルダイクの基本情報
名称
Kinderdijk(キンデルダイク)
場所
住所:Molenkade Nederwaad 1, 2961 AS Kinderdijk
アクセス
ロッテルダムは大きな街で、メトロ(路面電車)、トラム(地下鉄)、バス、水上バスの路線が充実しています。キンデルダイクに行く方法も複数あります。
その中でも、水上バスは、非日常的な特別感や、ルートのわかりやすさから、特に観光客に人気です。
水上バスの運賃や所要時間、時刻表の確認方法などを下の記事に詳しくまとめました。
園内のまわり方
- すべて徒歩
- 園内を移動できるボートに乗る
入場料
大人:19ユーロ(割引対象日だと16ユーロ)
4〜12歳:8ユーロ(割引対象日だと6ユーロ)
4歳未満:無料
- 事前にオンラインでチケット購入可
- チケットの印刷不要、スマホかタブレットでチケット画面を見せればOK!スマホの充電切れなどに備えて、印刷したものを持参しても有効。
- 2020年以降実施されていた「事前のオンラインチケット購入必須」「入場の日時指定必須」ルールは廃止
- チケットが残っていれば、当日現地で購入可能
入場料に含まれるもの
- Museummolen Nederwaard(ネーダーヴァールト)内部見学
- Museummolen Blokweer(ブロックウェア)内部見学
- Museummolen Overwaard(オフェルヴァールト)内部見学 ※休館日あり
- Wisboomgemaal(エンジンルーム)への入室
- De Fabriek(エンジンルーム)への入室(キンデルダイクに関する映像はここで)
- キンデルダイクの公式アプリ取得(オーディオガイド付)
- ボート(クルーズまたはホッパー)
※観光可能エリアは変わることがあります。最新情報は公式サイトを確認してください。
営業時間
〈2023年〉
2月15日〜28日 10:30〜16:00
3月〜10月 9:00〜17:30
11月〜12月 10:30〜16:00
休業日:12月25日
気候とベストシーズン
ベストシーズンは春から夏にかけてです。
この記事で紹介した、内部を見学できる風車も、冬になると見学時間が短くなったり、休業したりします。園内のボートも冬季休業です。
夏に出かけるほうが、稼働している風車に出会える確率があがります。
キンデルダイクにアクセスする水上バスも、冬季だと乗り換えが必要になります。その点でも夏季のほうが観光しやすいと思います。
園内の注意点
衛生上の観点から、2020年以降キンデルダイク内で現金支払いをすることはできません。
参考サイト
【参考】筆者が現地を訪れた時期と滞在時間
- 滞在時期:2019年6月中旬
- 滞在時間:半日
- 当記事の情報は、基本的に滞在時点のものです。後日変更に気がついた場合は、都度修正していますが、最新情報は公式サイトなどをご確認ください。