Hoodooと呼ばれる尖塔が特徴的なBryce Canyon National Park(ブライスキャニオン国立公園)はアメリカのユタ州にあります。
水や氷、風による長年の侵食によって、たくさんの奇岩が生まれました。
ユニークな地形に目を奪われがちですが、実際に現地を訪れてみると、尖塔のあまりにも美しい色がなによりも印象に残りました。
ブライスキャニオン国立公園は、以下の理由から観光しやすいのが特長です。
- 滞在時間がわずか1〜2時間しかなくても、トレッキングをまったくしなくても、【ブライスキャニオンらしい風景】を見ることができる
- 車やシャトルバスで園内の移動が簡単(シャトルバスの停車駅も小刻み)
- トレイルの選択肢が多い(車椅子やベビーカーでアクセスできるものも)
〈この記事でわかること〉
- ブライスキャニオン国立公園のおすすめ観光スポット
- ブライスキャニオン国立公園観光のコツ
- ブライスキャニオン国立公園を訪れる前に知っておきたいこと
ブライスキャニオン国立公園の人気観光スポット
Bryce Amphitheater(ブライス・アンフィシアター)
Bryce Amphitheater(ブライス・アンフィシアター)というエリアには、ブライスキャニオン国立公園らしい光景が広がっています。オレンジ、ピンク、黄色、オフホワイトの尖塔が立ち並ぶ様子は圧巻です。
Source(参考):園内マップ等|ブライスキャニオン国立公園
Edit(編集):added blue circle(青の丸を、説明のため画像に書き足しています)
ブライス・アンフィシアター内には、展望台があります。中でも、以下の4ヶ所から見る景色はどれも素晴らしかったです。
- Bryce Point(ブライス・ポイント)
- Inspiration Point(インスピレーション・ポイント)
- Sunset Point(サンセット・ポイント)
- Sunrise Point(サンライズ・ポイント)
Rim Trail(リム・トレイル)をトレッキングすると、この4つの展望台すべてをまわることができます。(詳細は下のトレイル情報にまとめました。)
トレッキングをしなくても、車やシャトルバスでそれぞれの展望台にアクセスすることができます。
Natural Bridge(ナチュラル・ブリッジ)
中央に大きな穴があいたアーチ状の形をしている岩です。
ブライスキャニオン国立公園の中にある数ある奇岩の中でも、他とは異なる特徴的な形をしています。
Source(参考):園内マップ等|ブライスキャニオン国立公園
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ちなみに。
わたしは、ブライスキャニオン国立公園の中で、車やシャトルバスでアクセスできる”ポイント”と名のつく展望台にはほぼ立ち寄りました。Agua Canyon(アグア・キャニオン)やNatural Bridge(ナチュラル・ブリッジ)、ビジターセンターから一番離れた場所にあるRainbow Point(レインボー・ポイント)やYovimpa Point(ヨビンパ・ポイント)にも行きました。
園内10ヶ所ほどの展望台に立ち寄って感じたことは、
『ビジターセンターより奥にあるスポットは、ブライスキャニオンらしい光景からは遠ざかる』ということです。
Rainbow Point(レインボー・ポイント)やYovimpa Point(ヨビンパ・ポイント)に立つと、視界を占める森の割合が多くなります。雄大な自然という意味ではもちろん素晴らしく、その周辺でトレッキングなどすればまた違う感想を持ったかもしれませんが。
『ブライスキャニオン国立公園らしい絶景を見るには、ブライス・アンフィシアター周辺がベスト』だと思いました。
ブライスキャニオン国立公園の人気トレイル
ブライスキャニオン国立公園の中にはたくさんのトレイルがあります。その中でも特に人気のものを紹介します。
ブライスキャニオン国立公園のトレイル概要
- 全体的によく整備されている
- 季節や天候によって封鎖されるエリアがあるので注意
- 各トレイルの詳細や、天候による封鎖エリアなどの最新情報はブライスキャニオン国立公園公式サイトか、現地ビジターセンターにて
Sunset to Sunrise(サンセットポイント→サンライズポイント)
ブライスキャニオン国立公園内で一番簡単と、公式サイトで説明されているトレイルです。
このトレイルを歩くと、ブライスキャニオンの尖塔群を上から見下ろす感じになります。
Source(参考):園内マップ等|ブライスキャニオン国立公園公式サイト
Edit(編集):added blue circles(青の丸を、説明のため画像に書き足しています)
このトレイルは、下で紹介するRim Trail(リム・トレイル)の一部分です。Sunset Point(サンセット・ポイント)とSunrise Point(サンライズ・ポイント)の間は、ほぼ平坦で、道もしっかり舗装されています。車椅子やベビーカーでもアクセス可能です。
Sunset to Sunrise
スタート地点:Sunset Point
ゴール地点:Sunrise Point
※スタート地点とゴール地点を逆にしてトレッキングすることも可
距離:約1.6km(往復)
高低差:約10m
総所要時間:約45分
難易度:低
Rim Trail(リム・トレイル)
メインエリア:Bryce Amphitheater(ブライス・アンフィシアター)の中にある、ブライスキャニオン国立公園らしい景色を満喫するためのトレイルです。このトレイルを歩くと、ブライスキャニオンの尖塔群を上から見下ろす感じになります。
上で紹介した「Sunset to Sunrise(サンセットポイント→サンライズポイント)では物足りない」という方におすすめです。
トレイルの最初から最後まで歩く場合は、以下の5ヶ所の展望台をまわることになります。
- Bryce Point(ブライス・ポイント)
- Inspiration Point(インスピレーション・ポイント)
- Sunset Point(サンセット・ポイント)
- Sunrise Point(サンライズ・ポイント)
- Fairyland Point(フェアリーランド・ポイント)
Source(参考):園内マップ等|ブライスキャニオン国立公園公式サイト
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実はこのトレイル、端から端まで歩く必要はありません。自分の歩きたいポイントからポイントまでを、部分的に楽しむこともできます。
園内シャトルバスが運行する時期なら【往路でトレッキングして、復路はバス】といった選択肢もあります。アレンジの自由度が高いトレイルなのです。
Rim Trail
スタート地点:Bryce Point
経由地点:Inspiration Point, Sunset Point, Sunrise Point
ゴール地点:Fairyland Point
※スタート地点とゴール地点を逆にしてトレッキングすることも可
距離:約8.5km(片道)
高低差:359m
所要時間:3〜4時間
難易度:中
Navajo Loop(ナバホ・ループ)
すでに紹介したふたつのトレイルは、ブライスキャニオンの尖塔群を上から見下ろす位置にあります。
それに対してナバホ・ループは、ジグザグとトレイルに沿って谷底へ降りていくところから始まります。下の写真に写る人の大きさから、景色の雄大さが伝わるでしょうか。
自分の立ち位置を下げることで、先ほどまで足元に見えていた奇岩群が、急に両側にそびえたちます。一気に迫力が増します。
谷底まで降りたら、360度非現実的な景色が広がります。
地形の変化に富み、なんとも冒険気分の高まるトレイルです。
ナバホ・ループは、Sunset Point(サンセット・ポイント)から出発します。再度同じ場所に戻ってくるループ状のトレイルです。
Source(参考):園内マップ等|ブライスキャニオン国立公園公式サイト
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勘のいい方はお気づきだと思いますが、ループ状のトレイルなので、傾斜を降りたらそのぶん登る必要があります。滑りやすい部分もあるので、足元には要注意です。
冬季はトレイルの一部が通行止めになるため、ループ状に歩けるのは夏季限定です。
Navajo Loop
スタート&ゴール地点:Sunset Point
ルート:ループ状 ※ループ状に歩けるのは夏季限定
距離:2.2km
高低差:168m
総所要時間:1〜2時間
難易度:中
もっとブライスキャニオン国立公園を満喫したい人や、さらに時間や体力のある人は
Queen’s Garden(クイーンズ・ガーデン)とNavajo Loop(ナバホ・ループ)ふたつのトレイルを合わせたQueen’s/Navajo Combination Loopという選択肢もあります。
公式サイトによると、これが一番人気のトレッキングルートだそうです。所要時間は2〜3時間です。
ブライスキャニオン国立公園は、実は標高2,700メートルの高地にあります。人によっては、高山病の症状が出ることがあります。頭痛や吐き気などの症状があるうちは、トレッキングは避けたほうが良いでしょう。
ブライスキャニオンの基本情報
名称
Bryce Canyon National Park(ブライスキャニオン国立公園)
場所
アメリカ合衆国
ユタ州
アクセス
McCarran International Airport(マッカラン国際空港)|Las Vegas(ラスベガス)から:車で約4時間半
ザイオン国立公園:車で約1時間半
Kanab(カナーブ)|The Wave(ザ・ウェーブ)の抽選会場のある街から:車で約1時間半
The Wave抽選は、必ずしも初日で当たるわけではありません。当選確率を見ると、むしろ一発で当たる人のほうが少ないです。
The Waveを本気で目指す多くの人は、カナーブに連泊し、複数回抽選に通います。その期間、せっかくユタ州に滞在していることを活かして、周辺の観光地に足をのばしてみてはどうでしょうか。
園内のまわり方
4〜10月は、園内の無料シャトルバスが運行しています。
各展望台やトレイル入口近くにある駐車場は、スペースが限られています。人気の時期はすぐ満車になってしまい、スムーズに観光できないことがあります。
駐車場の混雑緩和と、環境保護の観点から、無料シャトルバスの利用が推奨されています。
もちろん、
- 無料シャトルバスが運行していない日や時間帯
- 園内が混雑していない日
などは、自身の運転で、園内を快適にまわることができます。
園内の駐車場は無料です。
入園料
- 車(ツアーなど商用のものを除く、7日間有効):35ドル/1台
- オートバイ(7日間有効):30ドル
- 個人(徒歩や自転車での入園、7日間有効):20ドル
- アメリカ国立公園年間パス:80ドル/1台
開園時間
基本的に、1年中24時間オープン
気候とベストシーズン
ベストシーズンは、5〜9月です。この時期は園内の無料シャトルバスも運行しています。
ブライスキャニオン国立公園を訪れるのは、太陽光が降り注ぐよく晴れた日がおすすめです。尖塔の色は、太陽光の強さや向きによって、力強く輝いたり、パステルカラーのようなやわらかい色合いになったりします。長時間滞在して、その変化を楽しむのもおもしろいです。
7〜8月の日中は日差しが強く、気温が30度近くなることもあるので、熱中症には注意が必要です。特にトレッキングに出かける場合、十分な水の用意は必須です。軽食、帽子、サングラス、日焼け止めがあると、さらに安心です。
また、ブライスキャニオン国立公園は、標高が2,700メートルもあるので、夏でも朝晩は冷え込みます。防寒着を持っていくと安心です。
そして、冬の間は雪が降ります。
雪によって、道路の一部が封鎖されたり、トレイルの一部が立入禁止になったりします。夏と同じようには観光できません。
滞在時間
6時間ほどあれば、
- 園内の主要な展望台をまわり
- トレイルも1〜2ヶ所歩ける
と思います。
参考サイト
【参考】筆者が現地を訪れた時期と滞在時間
- 滞在時期:2016年7月下旬、2018年9月下旬
- 滞在時間:半日ほど
- 当記事の情報は、基本的に滞在時点のものです。後日変更に気がついた場合は、都度修正していますが、最新情報は公式サイトなどをご確認ください。