アムステルダムには、トラム(路面電車)、メトロ(地下鉄)、バスなどの交通手段があります。
〈この記事でわかること〉
- アムステルダムの公共交通機関の切符購入方法・運賃・路線図・時刻表
- アムステルダムの公共交通機関を利用するときの注意点
観光客にとって一番使いやすいのはトラムだと思います。
- 主要な観光スポットの近くにはトラムの駅があること
- 運行頻度がそれなりに高いこと
- 乗り方や路線図を理解するのが難しくないこと
- メトロやバスと比べて、「いまどこを走っているのか」「何番目の駅を通過したのか」を感覚的に把握しやすいこと
などがその理由です。
※当記事に掲載しているチケット購入方法や運賃などの情報は2020年7月時点(記事執筆時)のものです
切符
切符の種類と運賃
トラム、メトロ、バスの共通切符
アムステルダムのトラム、メトロ、バスは、GVB(アムステルダム市営交通会社)が管理しており、乗車券は共通です。切符の有効時間内であれば、【メトロに乗ったあと、トラムに乗り換え】といった使い方も可能です。
切符の有効期間 | 金額 |
1時間 | 3.20ユーロ |
24時間 | 8ユーロ |
48時間 | 13.50ユーロ |
72時間 | 19ユーロ |
96時間 | 24.50ユーロ |
120時間 | 29.50ユーロ |
144時間 | 34ユーロ |
168時間 | 37ユーロ |
1日の中で、ある地点とある地点を往復するだけであれば、【GVB24時間切符】(8ユーロ)は必要なく、【GVB1時間切符】を2回購入する方(6.40ユーロ)がお得です。24時間以内に、公共交通機関を3回以上利用する場合は【GVB24時間切符】がお得です。
切符の有効期限は、最初にトラム、メトロ、バスの利用で、切符をスキャンした瞬間からの時間です。切符を購入したときから、ではありません。
また、GVB切符の有効期間の単位は、日ではなく時間です。
つまり、例えば、7月1日午前8時に切符を購入し、午前10時に最初のトラムに乗ったら、その切符は7月2日午前10時まで有効ということです。
トラム、メトロ、バスを利用するとき、OV-chipkaartというオランダの交通系ICカードを利用することも可能で、この場合運賃の割引が入ります。ただし、OV-chipkaartは、カードを作るのに7.50ユーロ必要なので、短期旅行者向けではありません。
アムステルダム⇄空港の往復チケット付:アムステルダムトラベルチケット
アムステルダム市内のトラム、メトロ、バス共通切符(上記)に加えて、スキポール空港とアムステルダム間の往復チケットも含まれるものです。スキポール空港とアムステルダム間の交通手段は、鉄道でもバスでも選ぶことができます。
チケットの有効期間 | 金額 |
1日 | 17ユーロ |
2日 | 22.50ユーロ |
3日 | 28ユーロ |
ここで注意が必要なのが、GVB切符の有効期間の単位は時間なのに対し、アムステルダムトラベルチケットの場合は日数だという点です。スキポール空港からアムステルダムに移動し、アムステルダムで2泊する場合、アムステルダムトラベルチケットなら3日分(28ユーロ)を購入する必要があります。
ただし、アムステルダム市内での滞在時間(公共交通機関の利用時間)を48時間におさめることができるなら、アムステルダムトラベルチケット(3日分)を購入しないほうがお得です。
逆に、アムステルダム市内での滞在時間(公共交通機関の利用時間)が48時間を超えるのであれば、アムステルダムトラベルチケット(3日分)を購入するほうがお得です。
スキポール空港→アムステルダム(鉄道:Intercity/Sprinter):片道5.50ユーロ
GVB48時間切符:13.50ユーロ
アムステルダム→スキポール空港:片道5.50ユーロ
計:24.50ユーロ
スキポール空港→アムステルダム(鉄道:Intercity/Sprinter):片道5.50ユーロ
GVB72時間切符:19ユーロ
アムステルダム→スキポール空港:片道5.50ユーロ
計:30ユーロ
ややこしい話になってきましたが、個人的には、アムステルダムトラベルチケットを利用せず、スキポール空港⇄アムステルダム間の切符と、アムステルダム市内のGVB切符は別々に購入したらいいと思います。
アムステルダムは、観光スポットがぎゅっと集まっていて、歩いてまわれる場所も多い街です。そのため、例えばアムステルダムに2泊する場合でも、2泊3日フルで交通機関を利用するとは限りません。
また、鉄道:Intercity/Sprinterの切符は、あらかじめNS公式サイトでオンライン購入すると、現地の自動販売機で購入するよりも1ユーロ安くなります。このように他の割引と組み合わせると、アムステルダムトラベルチケットはそれほどお得感の強い共通券ではありません。
ただし、アムステルダム滞在中、交通機関をたくさん利用することがあらかじめ分かっている場合や、アムステルダム旅行を1枚の切符で済ませたい場合は、アムステルダムトラベルチケットを購入するメリットがあるといえます。
最後に、アムステルダムトラベルチケットは、スキポール空港とアムステルダムを往復する場合にお得です。2ヶ国周遊などで行き帰りの空港が異なる場合には、購入のメリットはありません。
アムステルダムトラベルチケット購入|GVB公式サイト
アムステルダムトラベルチケット購入|NS公式サイト
アムステルダム市内のトラム、メトロ、バスを管轄するのがGVBで、スキポール空港⇄アムステルダム間の鉄道を管理するのがNSです。これら2社が関わる共通券なので、どちらの公式サイトからでも購入可能で、金額も同じです。
切符の購入場所
GVBチケット売場(案内所)
アムステルダム中央駅の正面にあります。切符購入だけでなく、路線図も手に入ります。スタッフもいるので、自動販売機で切符を購入するのが不安な方や、メトロやトラムに関して質問がある方は、アムステルダム到着後、ここに立ち寄るといいでしょう。
GVBチケット自動販売機
アムステルダム中央駅周辺はもちろん、それ以外にも、地下鉄の各駅など、切符を購入できる場所はあります。自動販売機の中には、現金で支払いできないものもあります。クレジットカードがあれば、どの自動販売機でも切符を購入することができます。
タッチパネル式の自動販売機で、言語は英語を選択することが可能です。なお、日本語には対応していません。
最初に【Buy disposable GVB chipcard】(使い切りのICカード購入)をタッチし、希望の切符(1〜168時間)、切符の枚数を指定します。
自動販売機(現金/クレジット支払い)の設置場所|GVB公式サイト
GVBサービスポイント
街中にあるPrimeraやBrunaというお店でも購入できます。
GVBバスやトラムの車内
【GVB1時間切符】と【GVB24時間切符】のみ、トラムやバスの車内で購入することができます。車内で購入する場合は、クレジットカードでの支払いになります。
トラム車内の掲示
トラムの場合、車両中央にチケットカウンターが設置されている場合があります。その場合は、運転手さんとは別のスタッフさんがいるので、その人から購入します。チケットカウンターが場合は、運転手さんから直接購入します。
バスの場合は、運転手さんから購入します。
メトロの場合は、プラットフォームにたどり着く前に、自動改札で切符をタップする必要があります。そのため車内での切符販売はありません。改札通過前に購入しておく必要があります。
路線
路線図
路線図(PDF)|GVB公式サイト←見やすい!おすすめ!
路線の検索方法
公式サイトから
公式サイトの【Journey planner】の部分に
- 出発地(入力途中で候補が出てくるのでクリックして選択)
- 目的地(入力途中で候補が出てくるのでクリックして選択)
- 利用予定日
- 利用予定時間
- 出発日時で検索するか、到着日時で検索するかの切替
を入力し【Plan my journey】をクリックすると
- 交通手段の候補
- 路線番号
- 出発時間
- 所要時間
などの詳細を検索可能
【例】本日を2020年7月12日と仮定して、翌日(2020年7月13日)午前10:00 アムステルダム中央駅からゴッホ美術館にトラムで移動する場合
発着地の入力部分の下に【+Transport types】という項目があって、ここをクリックするとトラム/バス/フェリー/メトロ/鉄道の5種類の交通手段が表示されるので、絞り込み検索が可能
必要事項を入力できたら【Plan my journey】をクリック
青い部分の検索結果が、入力した条件(時間)に一番近いもの
前後の時間の検索結果も同時に表示される
右側の地図にルートが表示されるので、【到着までにいくつ駅があるのか】【どの駅の次が降車駅なのか】など、あらかじめ調べることができる
各駅の上にカーソルを持っていくと、その駅を通過する路線番号が表示される
この例の場合、トラム2番に乗っても12番に乗ってもいいことがわかる(ピンク枠部分)
検索結果画面の【Show details】をクリックすると、さらなる詳細な情報(到着駅から目的地まで何分歩くか等)を見ることができる
Source(参考):路線検索|GVB公式サイト
Edit(編集):added pink letters(ピンクの文字を、説明のため画像に書き足しています)
※スクーンショット画像は2020年7月時点のものです
Google Mapsから
おなじみGoogle Mapsのルート検索を使う方法もあります。上の公式サイトは日本語に対応していないので、日本語で検索したい場合はGoogle Mapsがおすすめです。
時刻表
公式サイトで各路線の時刻表を確認する方法を説明します。
【例】アムステルダム中央駅からゴッホ美術館へ行くトラム路線2番の時刻表
公式サイトの【Lines and timetables】から、路線番号一覧を表示する
路線番号が多すぎて、目的のものが見つけられない場合は、右上のアイコンをクリックして絞り込むことができる(下図のピンク枠部分)
左から、バス/トラム/メトロ/フェリー
(この場合、左から2番目のトラムのアイコンを選択する)
路線番号2をクリック
路線番号2の停車駅一覧が左側に
そのルートが地図上に表示される
【Show timetable】をクリック
【Direction】の部分で、進行方向を選択
【Direction】部分が【Centraal Station】になっている場合、Centraal Station(アムステルダム中央駅)に向かうトラムの時刻表ということ
Centraal Stationを出発するトラムの時刻表を見たい場合は、ここを変更する必要あり
【Direction】の下部分で、参照したい曜日を選択
Source(参考):時刻表検索|GVB公式サイト
Edit(編集):added pink letters(ピンクの文字を、説明のため画像に書き足しています)
※スクーンショット画像は2020年7月時点のものです
乗り方と注意点
乗車時と降車時には、カード(切符/チケット)のスキャン(タッチ)を忘れてはいけません。トラムやバスの場合、カードリーダーは乗降口の近くにあります。メトロの場合は、自動改札を通ることになるので、忘れる心配はありません。
例えば、【GVB1時間切符】を購入し、トラムAに乗るとします。このトラムAから降りるときにスキャンを忘れたとしたら、そのままトラムBに乗ることはできません。たとえ1時間未満の乗り継ぎであっても、切符が無効になってしまいます。
【参考】筆者が現地を訪れた時期
- 滞在時期:2019年6月中旬
- 当記事の情報は、基本的に滞在時点のものです。後日変更に気がついた場合は、都度修正していますが、最新情報は公式サイトなどをご確認ください。