薬剤師の皆さん、
と思ったことはありますか?
わたしは数えきれないくらいあります。たぶん百万回くらい。周りの友達や同僚を見ていても
みたいな人は、なかなかいません。(たまにいますが。それはそれで素晴らしい!)
みんなそれぞれ悩みを抱えていたり、定期的に「辞めたいな」と思ったりしてます。
この記事では、薬剤師が仕事を辞めたくなる瞬間あるあるをまとめてみました。
薬剤師辞めたい理由① 職場の人間関係がうまくいかない
これは薬剤師に限った話ではないですが。
「職場の人間関係がうまくいかないから、仕事を辞めたい」というのはよくある話です。
給与や残業時間など数字で測れるものは、就職前に面接などで確認することが可能です。しかし、人間関係だけは「いざ働いてみないとわからない」のです。
人それぞれ相性もあります。たとえ面接官が「うちの薬局は雰囲気いいよ」と言ったとしても、入社してみるまではわかりません。
また、働き始めたときは良い環境だったとしても、途中で新しい人が入社してきたり、店舗間異動があったりします。職場のメンバーが変化していく中で「合わない」「苦手だ」と思う人が出てくる可能性だってあります。
薬剤師が働く環境の多くは、人数が少なく、閉鎖的な環境であることが多いです。
病院でも数十人、小さな薬局だと数人しか、同僚が居ないこともあります。
上司や管理薬剤師のパワハラや理不尽な要求があると、さらに大きなストレスになるでしょう。
薬剤師同士がうまくいかないこともあるし、薬剤師と事務さんがうまくいかないこともあります。
狭い世界だからこそ、たったひとり苦手な人がいるだけで、日々の仕事が苦痛になります。
人間同士、どうしても「合う」「合わない」が発生するのは仕方ないです。
人として「好き」とか「嫌い」という意味での合う/合わないもあると思いますが、
- 仕事の方針が合わない
- 指示に納得がいかない
- 積極的に働かない同僚に腹が立つ
など、職場特有の悩みもあるでしょう。
複数の店舗をもつ会社なら店舗間異動を申し出たり、病院なら部署異動を希望したりするのも解決方法のひとつです。
人間関係のトラブルは、心の健康に影響を及ぼすことが多く、退勤後も気持ちがモヤモヤしがちです。家に帰ってからもリラックスできない、ストレスでごはんが食べられないなど、生活に影響が出るほどであれば、転職や休職などの方法を考えるのもアリです。
薬剤師辞めたい理由② 給料・待遇に不満がある
給与は、あなたの業務や、身につけてきたスキル・知識に対する対価です。労働する以上、正当な額をもらう権利があります。
- 他の同僚と比べて、自分は特に売上に貢献している
- 需要のあるシフト(遅番、夜勤など)をこなしている
- 役職についた
など、「評価されるべき理由があるのに給与があがらない」場合は、交渉してみましょう。自分の価値をしっかりアピールしたあとに交渉するのが有効です。入社前や入社直後の、能力や働きぶりがわからない段階で交渉しても、逆効果です。
- 交渉しても給与があがらない
- 勤めている会社が設定している給与がそもそも低い
のであれば、転職を視野に入れましょう。事前に聞いていた額の給与が正しく支払われない場合も、転職を考えましょう。
「ひとりの給与を上げてしまうと、他のみんなも同様にしないといけない」という理由から、なかなか給与をあげてくれない会社は多々あります。そのような環境だと、どれだけ訴えても変わらないので、転職したほうが早いです。
転職時に高い給与を交渉できるように、現職でいろいろな経験を積んだり、積極的に勉強したり、前向きに動くことが大切です。
自分の仕事ぶりを正しく評価してもらい、それに見合った給与を受け取ることは、モチベーションアップにも繋がります。
今の自分の価値を知るために、転職エージェントの担当者の方とお話してみるのも、役に立ちます。
「給与が低い」とひとことで言っても、
- 勤務地
- 職種
- 雇用形態
など、あなたの能力とは無関係な理由で、給与が低く設定される場合もあります。下の記事に詳しくまとめています。「給与アップさせたい!」という薬剤師の方は、ぜひ参考にしてください。
薬剤師辞めたい理由③ 仕事量が多い、残業が多い
薬剤師は人件費が高いので、「過剰な薬剤師は雇いたくない」というのが経営者の本音です。
また、薬局の忙しさには季節性もあるので、適切な人員を確保するのが難しい場合があります。例えば耳鼻咽喉科の門前だと、「花粉症シーズンは忙しいけど、夏には落ち着く」とか小児科の門前だと「圧倒的に冬が忙しい」とか。
「その極度に忙しい数ヶ月のために、正社員を雇う余裕はない」など経営者目線の悩みもあります。
仕事量に対して、薬剤師の数が足りていない職場は、全国にたくさんあります。
薬剤師の数が足りていないと、当然薬剤師ひとりあたりの仕事量が増えます。
日中は患者さんの対応が最優先なので、薬歴・在庫管理などのタスクが後回しになります。後回しになった作業は、残業としてふりかかってきます。
まず、残業代が正しく支払われない職場は論外です(転職しましょう!)。
「残業代で稼ぎたい!むしろ残業がある職場のほうがいい」という方もいます。そのような方は、そのままで大丈夫です。
「残業代を支払ってもらったとしても、自分の時間がどんどん減るし、できれば早く帰りたい!」と思っている方に向けて書きます。
- 同僚が体調を崩した
- イレギュラーな事態が発生した
など、緊急性のある残業なら時々で済みます。
しかし、毎日残業することが当たり前になっている職場ってありますよね。
最初は毎度「遅くなってごめんね」と言ってくれた上司も、だんだんそれに慣れてきて。
なんなら最初から残業ありきのシフトが組まれるようになったり。本人ですら、「あ!それ閉店後にやりますね」と言うようになったり。
本人と会社がそれでいいなら、なにも言うことはありません。しかし、もし不満があるなら行動しましょう!
上司に相談するのもあり!
アルバイトやパートの雇用を検討してもらうのもあり!
転職するのもあり!
薬剤師辞めたい理由④ 遅番・夜勤など勤務時間に不満がある
という薬剤師もいますが、
大多数は
- できれば早く帰りたい
- 夜は家でゆっくり過ごしたい
- 仕事後は自分の好きなことに時間を使いたい
のではないでしょうか。
「早番/遅番」のある職場、夜勤のある職場がありますが、どうでしょう?不満なく働けていますか?
みんなが働きたがらない時間帯や曜日のシフトは均等に割り振られていますか?
同じ給与・待遇の同僚と比較して、シフトがあまりに不公平だと、不満が出てくるのは当然です。
もちろん、人それぞれ家庭環境や体力、仕事への熱意などは異なるので、「完全に平等に!」というのは不可能です。その中で、みんなが納得いく方法を考えてくれる上司はいい上司です。
わたしの知っている例だと、
- 門前クリニック(精神科)に合わせて、毎週日曜日を営業している薬局が、日曜日だけ加給
(精神科通院の患者さんは、働き盛り世代も多いので、土曜日・日曜日・平日遅い時間の需要が高い) - 稼ぎたい人が積極的に日曜日に働き、給与が上がってハッピー!
- 加給は要らないから、日曜日休みたい人たちも、「なんで出社してくれないの?」と言われなくなってハッピー!
という円満解決。
薬剤師辞めたい理由⑤ プレッシャーが大きい
薬剤師に限らず、医療従事者の仕事はプレッシャーが大きいものです。人の命を預かったり、人の健康に関わる業務に携わるので当然です。
自分が引き起こしたミスが「ごめんなさい」では済まない事態に発展する場合もあります。
プレッシャーを感じ始めると、その精神状態が次のミスを引き起こすこともあり、悪循環に陥りがちです。
特に新卒時代など、薬剤師業務に慣れていない頃は、ミスも起こしがちです。傾向と対策を下の記事にまとめているので、参考にしてみてください。
薬剤師辞めたい理由⑥ 大きなミスをした
一度大きなミスをしてしまうと、
- 自分の能力が足りていない
- またミスしたらどうしよう
- 薬剤師向いていない
などマイナス思考に陥りがちです。そしてその状態が、また次のミスを引き起こしやすくなります。
たとえ患者さんの健康や命には別状ないようなミスだとしても、患者さんやご家族にすごく怒られてしまう、というケースがあります。
このような場合も、薬剤師の精神的苦痛は大きく、落ち込んでしまうことがあります。
薬剤師自身に原因がある場合は、その部分を直す必要があります。
- 疲れていて注意力散漫だったのであれば、しっかり休息をとる
- 明らかな知識不足だったなら、その部分を勉強する
というように、改善を心がけます。
ただ、ミスが起こる原因は必ずしも、いち薬剤師のせいとは限りません。
- 明らかな人員不足
- 必要以上にピリピリした雰囲気の職場
など、ミスが起こりやすい環境もあります。
自分の努力では変わらない部分で、「働きにくい」「本来の自分の力が発揮できない」と感じるのであれば、転職を視野に入れるのもアリです。
薬剤師辞めたい理由⑦ 仕事内容に不満がある、思っていたのと違う
「やりたいことをやらせてもらえない」場合は、上司に相談するのが一番です。ポイントは、それを主張できるだけの信頼と勤務態度を、日頃から積み重ねておくべし。
「やりたくないことを押し付けられる」場合。その経緯があまりに理不尽だったり、相談のしようがなかったりするなら、転職を検討するのがおすすめです。自分自身を責めたり、ひとりで落ち込んだりする必要はありません。「自分だけ明らかに業務量が多いことへの不満」がモヤモヤの原因なら、給与交渉して解決するのもアリです。
薬剤師辞めたい理由⑧ 休みが取りにくい
- 同僚との兼ね合いで、自分の希望する休みが取りにくい
- 有給を消化しにくい雰囲気がある
など休みに関する悩みも、「やめたい」という思いに繋がりやすいです。
これに関しては、
- 特定の曜日を休みたい場合
- 特定の時間しか働けない場合
などは、面接の時点であらかじめ伝えておくことが大切です。
面接の内容と話が異なる場合には、上司に相談してみましょう。
正月休みやお盆休みなどは、毎年傾向が決まっている職場が多いです。
例えば、
「門前病院が1週間休むから、それに合わせてうち(薬局)も休み」とか
「門前病院は関係ない、門前が閉まっていても仕事はある」とか。
職場によってまちまちなので、気になる場合は面接の時点で確認しましょう。
薬剤師辞めたい理由⑨ 勉強し続けることが大変
薬剤師として働く限り、積極的に新しい情報や知識を得ることは必須です。
大学で学んだこと、国試のために必死に勉強したことは、もちろん基礎として大切なことですが、医療の世界は日々進歩しています。
大学卒業時点の知識だけで生きていける世界ではありません。
とはいえ、日々プレッシャーの中一生懸命働いて、丸一日動き回ったあと、さらに勉強までするのは簡単なことではありません。
せっかくのお休みも、せっかくなら自分の好きなことをしたいですよね。オンオフはっきりさせてリフレッシュすることも、とても大切です。
最近はアプリやSNSなど、隙間時間で勉強できるツールもたくさんあります。自分にあったものを探してみましょう。
薬剤師辞めたい理由⑩ 他にやってみたいこと(仕事、趣味)ができた
薬学部を卒業したからといって、薬剤師の国家資格を持っているからといって、
「大学卒業から定年退職まで、一生薬剤師として働くべき」とは思いません。あくまでわたし個人の考えですが。
そもそも高校生の頃に思い描いた将来が、そのまま60代まで続くとは思いません。
価値観は変わるものだし、「理想の未来」も日々アップデートしたらいいと思います。
「薬剤師」という資格や経験を活かして、他の職種や会社にチャレンジするのもいいと思いますし、
「薬剤師」から一度離れてみるのもいいと思います。
「国家資格あるのにもったいない」と言われることもあるでしょう。
でも「国家資格があるからこそ」だとも思います。
薬剤師は今のところ永久資格です。一度辞めたとしても「やっぱり薬剤師やりたいな」と思ったら、いつでも戻ってくることができます。
もちろん、ブランクを埋めるための勉強は必須ですが。
やりたいことが見つかったなら思い切り挑戦してみるのも、国家資格がある強みではないでしょうか。
ただ「辞めたい」と思う頻度が高まってきたり、心身の健康に影響を及ぼしたりするようであれば、転職や休職も選択肢のひとつです。ぜひ自分自身を大切にしてください♡
転職を検討している方には、下の記事がおすすめです。