アメリカには、魅力的な国立公園が63ヶ所もあります。※2023年1月時点
アメリカ横断やグランドサークル周遊するなら、ぜひ購入を検討したいAmerica the Beautiful Pass(年間パス)。
※グランドサークル:アリゾナ州とユタ州に広がる国立公園や国定公園が集まる人気エリア
1年以内に3ヶ所以上の国立公園を訪れるなら、年間パスを使ってお得に旅することができます。
世界的に有名なグランドキャニオンも、イエローストーンも、ヨセミテも、ザイオンも、すべて国立公園です。
〈この記事でわかること〉
- アメリカ国立公園年間パスの購入方法
- 年間パスを使用するときのルール・注意点
- 年間パスを利用する前に知っておきたいこと
※当記事は最新情報に修正済(2023年1月、公式サイト参照)
アメリカ国立公園 年間パスの基本情報|値段・対象施設・有効期間・利用例
アメリカ国立公園年間パスの正式名称はAmerica the Beautiful Passですが、Annual Passと呼ぶ人も多いです。
年間パスの値段
80ドル
数年前、グランドキャニオンやヨセミテなど、複数の国立公園で入園料が値上がりしました。年間パスの料金は今のところ変わりません。
そのため、以前よりもさらに年間パスのお得度が増しました。
レンタカーを1台借りて、国立公園めぐりをするとします。各公園の入園料は以下のとおり。
それぞれの場所で入園料を支払えば合計105ドルになるはずのところ、年間パスがあれば80ドルで済みます。25ドルもお得です。
年間パスの代金に含まれるのは、基本的に施設の入園料のみです。
園内の宿泊代(ホテル・キャンプ場)、食事代、ツアー代など、別途料金が設定されているものに関しては、支払いが必要です。
ただし、園内シャトルバスや、一部キャンプ場など、入園者が無料で利用できる場合もあります。各国立公園でのルールは、公式サイトに掲載されています。
年間パスが利用できる公園・施設
年間パスで入園できるのは、国立公園(National Park)だけではありません。利用できる場所は意外と多く、国定公園や史跡など、全部で2,000ヶ所もあります。
【注意】年間パスが利用できない公園・施設
以下の場所では、年間パスを利用することができません。
年間パスを持っている/持っていないに関わらず、別途入園料(利用料)が必要です。
年間パスの有効期間
1年間
(購入日から1年後同月の末日まで)
2021年6月1日に購入すれば、2022年6月30日まで有効です。
2021年6月30日に購入しても、2022年6月30日まで有効です。
月初に購入すると、最大1ヶ月分有効期間が長くなりお得です。
年間パス利用例
1枚の年間パスでカバーされるのは
- 車単位で入園料が定められている施設では、同乗者全員
- 人単位で入園料が定められている施設では、4人まで(カード所有者+3人)
というのが基本ルールです。
厳密に言うと、施設の入園システムと、どんな手段(車/バイク/徒歩)で施設にアクセスするかで異なります。
例1. 車1台あたりの入園料が定められている施設に、車1台で入園する場合
1枚の年間パスで、同乗者全員分の入園料が免除されます。
ほとんどの国立公園が、車1台あたりの入園料を設定しているので、これに該当します。
【注意】グループの人数が4人以下だとしても、車2台に分かれて入園すると別精算になります。年間パスを利用するなら2枚必要です。
例2. ひとりあたりの入園料が定められている施設に、車1台で入園する場合
- 同乗している人数が4人以下(カード所有者含む)の場合
→1枚の年間パスで、全員分の入園料免除 - 同乗している人数が5人以上の場合
→1枚の年間パスで、4人分の入園料免除
→5人目からは別途入園料の支払いが必要
ちなみに、16歳未満の同乗者はカウントされません。16歳未満の入園料は無料です。
例えば、【40歳が4人+10歳が3人】が乗っている車では、追加の入園料を支払う必要はありません。
例3. 車やバイクを使わず、徒歩などで入園する
1枚の年間パスで、4人分の入園料が免除されます。5人目からは別途入園料の支払いが必要です。
アメリカ国立公園 年間パスの使用方法・ルール・注意点
年間パス購入後の使用方法
年間パスの裏には
- Passholder(所有者)
- Passholder Two (Optional)
を記入する箇所があります。1枚の年間パスに対して、ふたりの所有者を設定できるということです。
Passholderと Passholder Two (Optional)、どちらも空欄のままでは使用することができません。年間パス購入後、写真付ID(パスポートなど)と同じスペルで、所有者の名前を記入する必要があります。
国立公園の入口では、このPassholderの名前と、写真付ID(パスポートなど)の名前が一致しているかを確認されます。
年間パスを利用するためには、カード所有者(カード裏に記名した者)が、一緒に入園する必要があります。カード所有者が車を運転する必要はありませんが、同乗している必要があります。
Passholder Two (Optional)の欄は、必要がなければ埋める必要はありません。
グループで常に一緒に旅をするのであれば、その中のひとりの名前をPassholderの欄に書きます。途中別行動する場合は、Passholder Two (Optional)の欄を活用します。
アメリカ国立公園の中には、24時間出入り可能な場所もあります。夜間など、公園入口のスタッフが不在でも、ゲートが開いています。そのような公園では、そのまま入園して問題ありません。園内では、車の外側から見える場所に年間パスを提示しておきます。
カードホルダーに入れ、バックミラーに吊るしている人が多い印象です。
【注意】各国立公園に1年間入園し放題のパスもある
当記事で説明しているのは、複数のアメリカ国立公園を訪れるときに利用する年間パスですが、実は各国立公園独自の年間パスも存在します。
例えば、ヨセミテでは、Yosemite Passが70ドルで購入できます。これは、ヨセミテ国立公園に1年間入園し放題の”年間パス”です。
観光客が「Annual Pass」と言えば、ほぼAmerica the Beautiful Passのことだと解釈されますが、支払い金額などで再度確認すると確実です。(当記事で紹介しているAmerica the Beautiful passは80ドル)
アメリカ国立公園 年間パスでお得になる条件
どの公園・施設を訪れるかにもよりますが、
1年以内に3ヶ所以上のアメリカ国立公園を訪れる予定
なら、年間パスを購入するほうがお得です。元がとれる、ということです。
滞在予定の公園・施設の入園料の合計が80ドルを超えるなら、年間パスの購入がおすすめです。
入園料の合計が80ドルを超えるとわかった時点で年間パスに切り替えることもできます。過去に支払った入園料のレシートを保管しておいて、年間パス購入時に提示すれば、それまでの支払い分を差し引いてくれます。
アメリカ国立公園 年間パス購入方法
現地購入
アメリカ国内には、年間パスを購入できる場所がたくさんあります。国立公園や史跡のような観光地だけでなく、街の中にあるオフィスでも購入できます。
アメリカ国立公園年間パス 購入可能場所(検索)|NPS公式サイト
国立公園だと、入口のゲート(料金所)で購入できます。ゲートのない国立公園では、ビジターセンターなどで購入します。
まれにクレジットカードが利用できない場所があるので、現金も用意しておくと安心です。
インターネット購入
USGS公式サイトから、オンラインで年間パスを購入することができますが、実はあまりメリットがありません。
現地で購入するほうがいい理由
- オンラインだと、年間パス代80ドルに加え、【手数料5ドル+送料】がかかる(現地購入なら80ドルのみ)
- 郵送に数日間かかる(現地購入ならその場で発行)
- 年間パスは、購入後返金不可であるため、旅が始まってから購入するほうが確実
- 年間パスには売切の概念がないため、旅の前にあらかじめ用意しておく必要がない
年間パスをギフトとして贈る場合には、オンライン購入が便利かもしれません。
年間パスの共有・譲渡
年間パスの裏には、カード所有者を記入する欄が2ヶ所あります。つまり、2人で1枚のカードを所有できるということです。
この2人は、家族や親戚である必要はありません。
Can any two people sign an Annual Pass?
Yes. The two pass owners do not have to be related.
Source(参考):About Your Annual Pass|USGS公式サイト
まだ有効期限の残っている年間パスを譲渡してもらう場合、以下の2点は確認必須です。
- 有効期限が切れていないか
カード裏の発行年を確認
購入月(=有効期限が切れる月)にパンチで穴があけられるので、穴の位置を確認 - カード裏の所有者欄が、ひとつ空欄になっているか
【参考】アメリカ国立公園には無料開放日がある
ここまでアメリカ国立公園をお得に旅する方法について話してきました。
実は、アメリカ国立公園には入園料のかからない日があります。
2023年だと以下の5日です。
- 1月16日 (Martin Luther King Jr. Day)
- 4月22日 (First day of National Park Week)
- 8月4日 (one year anniversary of the Great American Outdoors Act)
- 9月23日 (National Public Lands Day)
- 11月11日 (Veterans Day)
普段から人気の国立公園では、無料開放日の混み具合は尋常ではありません。
特に駐車場が混雑しやすい国立公園(ザイオン・アーチーズなど)では、観光を始めるまでに時間がかかりすぎてしまいます。時間がたっぷりある場合はいいのですが、短期旅行者にはおすすめできません。