日本国内でも徐々に人気の高まっているバンライフ。
簡単に言うと、車で旅するということです。
車を単なる移動手段としてだけでなく、寝室として、キッチンとして、時には仕事場として活用することもできます。もはや、車に住むと表現するほうが的確でしょうか。もしくは、動く家。
近年急増中の【オンラインだけで完結する仕事】なら、バンライフで暮らすように旅することも、簡単に叶えられます。
この記事では、1年半かけて海外15ヶ国を車で旅した筆者が、バンライフの魅力を余すところなくお伝えします。
バンライフとは
基本的に車中泊
バンライフをする場合、基本的には毎日車の中で寝ます。
もともとベッドが設置してある車(キャンピングカーや、バンライフ用に販売されている車)を除いては、旅前に自分で設置する必要があります。
ベッド設置の仕方はいろいろあります。
- 後部座席をすべて倒して、その上にベニヤ板とマットを敷く
- 後部座席を、座席ごと外して、後ろの空間を丸ごとベッドにする
- 車の屋根にテントを設置する
などです。
生活に必要なものは、すべて車に積んである状態
バンライフの大きな特徴のひとつは、旅に必要なものをすべて車に積んで移動するということです。
服や洗面用具はもちろん、調理器具も積んでいる人がほとんどです。万が一車が壊れたときの修理用具は必須です。
パソコンを積んで、バンライフと仕事を両立させている人もいます。
もともとは海外で人気の旅スタイル
日本でも【バンライフ】という言葉が浸透してきましたが、海外と比べるとまだメジャーではありません。
わたしが海外でバンライフをしていた1年半の間、同じくバンライフで旅をしているアジア人にはほとんど出会いませんでした。
それに対して、バンライフをしている欧米人は、本当にたくさんいます。
カップルで旅している人が半数以上でしたが、中には、子連れで旅している家族や、兄弟や友人と旅している人もいました。
車での旅は、飛行機に比べて移動に時間がかかるので、長期休みのとりやすい国の人たちにより浸透しているように感じました。
バンライフのメリット
圧倒的に自由!
わたしがバンライフを推す最大の理由はこれです。
車1台にすべての荷物を積んで、好きな人と、好きな時間に、好きな場所へ。
旅というものは、なかなか計画どおりにいかないものです。
でもバンライフなら、気に入った場所があれば滞在期間を伸ばせばいいのです。観光に疲れた日があれば、休息日を作ってもいいのです。
バンライフは車中泊&車移動が基本なので、その日のホテルの予約もなければ、次の飛行機の予約もありません。
旅先で出会った人に、「昨日行った場所がよかったよ」と言われて写真まで見せてもらったら、自分も行ってみたくなるものです。そんなとき、車旅なら、次の目的地を変更することも、ふらっと寄り道することも簡単です。
電車の窓から外を眺めているときに素敵な景色に出会っても、ちょうどいい場所では止まれず、あわてて撮った写真もブレてしまって・・・という経験はないでしょうか。車旅なら、好きなところで停車できます。
重い荷物を持ち運ぶ必要がない
バンライフなら、すべての荷物を車に積んでおくことができます。
車内という限られたスペースですが、それでもバックパックやスーツケースよりは圧倒的に大容量です。
衣類に関して話すと、夏服も冬服も、登山用の服からおしゃれ着まで、ひととおり積んでおくことができます。わたしの場合、1年半のバンライフで、靴は5足(町歩き用のスニーカー、登山靴、パンプス、サンダル、ビーチサンダル)積んでいました。
また、普段使い慣れている化粧水やクリーム、コンタクトレンズのストックを旅に持っていけるもの嬉しいポイントです。
例えば1年間海外に旅に出るとして、1年分の基礎化粧品や衛生用品をすべて持ち運ぶのはなかなか大変です。
海外で代替品を購入して肌荒れを起こしたり、日本から同じものを郵送してもらう予定がうまく届かなかったり、という話も聞きます。
ホテルに宿泊する場合と比較して、ホテル移動のたびにパッキングする必要がないことは大きなメリットです。
節約できる
バンライフでは基本的に車中泊なので、ホテル代がかかりません。キャンプ場を利用したとしても、ホテルに泊まるよりは格段に安く施設を利用することができます。
バンライフなら調理器具を持ち運ぶのも簡単なので、自炊することができます。そのため、レストランに比べると、安く食事をすることができます。
自炊をするためには、その土地のスーパーマーケットや市場に出かけることになります。現地の人が購入する食材や、食べ物の物価などに触れ、その土地での生活を垣間見ることができるのも、バンライフの魅力です。
旅仲間ができる
バンライフを送っていると、同じくバンライフをしている世界中の人たちと仲良くなれます。
バンライフをしている人同士で、その町の無料駐車場やフリーWi-Fiの場所を共有したり、物の貸し借りをしたり。誰かの車が故障したときに、そのキャンプ場にいる人たちで道具を持ち寄って、修理したこともありました。
旅人のルートは似ているもので、同じ人と何度か再会することもありました。
リモートワークとの両立可能
わたしは、バンライフ前にしっかり貯金し、そのお金で旅をしました。バンライフ中の収入はゼロでした。
しかし、バンライフで知り合った人たちの中には、仕事をしながら旅をしている人がたくさんいました。
一番多かった職業は、エンジニアとブロガー(インスタグラマー)でした。パソコン1台で仕事が完結するという点が、バンライフとの相性抜群です。
カメラマンやライターにも数人会いました。
現在の世界情勢に合っている
バンライフは、
- 3密を避ける旅
- リモートワークと両立できる旅
- 日程やルートに関して自由度の高い旅
を実現することが可能で、新しい旅のスタイルのひとつとして注目を集めています。
旅のみならず、世界的に”日常生活”の概念自体が変わりつつある今、バンライフは今後日本国内でも、広く浸透していくのではないかと期待しています。